Project
マタバリ港における運営・維持管理及び経営能力向上プロジェクト(第2期)

プロジェクトの概要
バングラデシュでは、GDPの成長に伴い、外国貿易の貨物需要が旺盛です。バングラデシュのコンテナ貨物の98%を取り扱うチッタゴン港では、すでに貨物取扱可能量の上限に達し、入港船の沖待ちが常態化しています。また河川内にあるため、入港船舶は喫水10m、全長200mに制限され、平均積載能力は1,800TEU程度と小型船で、中・大型船の受け入れができない状況です。
このような中、急増する貨物需要及び入港船舶の大型化に対応するため、日本の円借款事業「マタバリ港開発事業」が計画されました。同港の事業効果の発現に向けては、ターミナル運営・港湾維持管理の能力強化が不可欠であることから、バングラデシュ政府から、日本政府にマタバリ港の運営支援にかかる技術協力プロジェクトの要請がなされました。OCDIではJICAからの委託を受け、2022年1月に同プロジェクトに着手しました。
本プロジェクトは、チョットグラム管区コックスバザール県マタバリ地区において建設中のマタバリ港に関し、①ターミナル運営・維持管理、②船舶の入出港管理、③港湾利用振興策及び、④中長期港湾運営戦略に係る能力強化を行うことにより、新港の十分な運用実現を図り、バングラデシュの国際貿易促進に寄与するものです。2023年5月に第1期が完了、2023年7月より第2期が現在進行中です。
発表論文:
「バングラデシュ国マタバリ港における埋没機構の解明及び効率的な航路維持に向けた実験」、多田直央・佐藤清二・三宅光一、2025年3月11日、土木学会関東支部第52回技術研究発表会。
Seiji Sato, Naohiro Tada, Koichi Miyake. “Hypothesis on the Mechanism of Sedimentation and on the Effect of the Sloping Trench in Matarbari Port in Bangladesh”, The 35th International Ocean and Polar Engineering Conference(2025 年6 月)最終原稿提出。
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チッタゴン港コンテナターミナル(右上は内航バージ出港)
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マタバリ港全景(2024年、下げ潮時)
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タスクフォース会議風景
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マルチ水質計を用いた現地塩分・濁度測定
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航路維持効率化に向けたフルードマッド流動実験
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リーダー 佐藤 清二
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担当者 松隈 弘晃